日本の食文化の象徴とも言える「お米」
日本の食品の中で唯一自給率がほぼ100%のお米。
今回紹介するのはそんなお米をテーマにした一風変わったアクションRPGです。
ちょっとおススメしたいゲームがあるんだが
死にゲーなら間に合っとるで、ブラッドボーン始めたところだからこれ以上死んでたら時間がいくらあっても足りんわ
人を死神みたいに扱わんといて……今回ご紹介するのは死にゲーですさんだ心を癒す一風変わったアクションRPG
どうりで今日は褪せ人の姿で来とらんのな。話を聞こうか
今回紹介する天穂のサクナヒメは稲作と日本神話をモチーフにしたアクションRPG。
2020年11月に発売され「空前の稲作ブーム」「令和の米騒動」「農林水産省が攻略サイト」などのワードでSNSを沸かせた話題作です。
あれですやん、だいぶ話題になったやつですやん、米育てるやつでしょ?
やってみたらこれが面白いのよ
米育てるの、正直めんどくさくなりそうな……
本編はメトロイドヴァニアです。爽快コンボ・アクションRPG
※ メトロイドヴァニアとは…二次元横スクロールのアクションゲーム。ゲームを進めていくうちにアイテムやスキルなどを手に入れ、問題の解決をしていく探索系アクションのことを特に称する。名称は「メトロイド」と「キャッスルヴァニア」のようなゲームという意味から
え、米を育てるんじゃないの?
目次
天穂のサクナヒメのストーリーは?
日本神話をベースにしたほんわかストーリー
プロローグは、天界に渡る橋に人間が迷い込んだところから始まります。
武神と豊穣神を両親に持つサクナが家の財産を喰いつぶして、ぐうたらな生活を送っていました。
しかし、ある日とんでもない失態を犯して、罰として鬼が支配している島の調査(という名の追放)を命じられ、泣く泣く島に渡ることになりました。
このセリフだけでもまっことにダメなボンボンだってことがわかるもんよw
大切な米蔵に火が!!
全体のモチーフが和風なだけでなく表現もジャパニメーション風で絶妙にマッチしている
ぐうたら生活から追放されたサクナヒメをこの先で待ち受けているものは……
鬼島の峠に活動拠点を構え、調査を進めながら笑いあり涙ありなストーリーを楽しめます。
また、進行とともに拠点は賑やかになり、やれることも増えていくので飽きさせない仕様になっています。
主人公のサクナヒメは、武神と豊穣神の間に生まれた神で両親から双方の資質を受け継いでおり、立派な米を育てることで自身も強くなることができます。
また、本編以外にも色々ななエピソードがあり、中には住人達の悩みなども解決したりと心身ともに成長していきます。
なんかスサノオノミコト的な旅立ちなのね
全体的には日本神話をモチーフにした感じの話
メトロイドヴァニアらしくストーリーは簡潔だね
天穂のサクナヒメのゲームシステム
アクションパートは爽快コンボ+メトロイドヴァニア
迫りくる鬼を武器や羽衣で退治する!
ゲームのメインは横スクロール型のアクションRPG。古くからのゲームファンならメトロイドヴァニア系と言えば簡単にイメージが伝わるでしょう。
米作りの部分のみがピックアップされていますが、ゲームは稲作パートと探索パートに分かれています。
探索パートは2D横スクロール探索型アクションを採用しており、マップからステージを選択し素材を集めたり、鬼を蹴散らしたりしながら進んでいきます。
天穂のサクナヒメのアクションの特徴は羽衣。
羽衣を使うことにより、壁に張り付いたり高いところなどへの移動に利用したり、戦闘時は攻撃に加えて、羽衣技で敵を引き寄せたり叩きつたりなどの幅広いアクションが可能。
操作キャラクターを縦横無尽に動かせるのが、本作品の魅力のひとつ。
戦闘は探索ステージ内の決まった場所で鬼が出現し、基本的には1対多数の場面がほとんど。
通常攻撃や武技・羽衣技を駆使して倒していきますが、通常攻撃も多彩で方向キーによって攻撃が変化していきます。
鬼を浮かして攻撃する空中コンボも決めることもできますし、大技で一度に大量の敵を攻撃したり、ぶっつけ技で敵同士のクッションダメージ狙ったりと、サクナヒメの掛け声も相まって爽快感のある戦闘を楽しめます。
探索中にやられてしまった場合は、時間も巻き戻りステージの初めから再スタートになるので、諦めずにチャレンジしてもいいし、厳しいなと感じたらステージから離脱して拠点に戻り米作りや武器・防具作りをしてサクナヒメを鍛えて改めてチャレンジするのもあり。
マップには、総合探索度も表示されており、ステージ毎に設定されている様々な目標を達成することにより総合探索度が増え、新しい採集専用ステージが解放されるものもあり、やり込み要素として楽しめます。
探索中には時間が経過していく 夜になると強力な敵も……‽!
また、探索中も時間の影響があり、夜になると視界が悪い上に鬼が凶暴化し強くなるので、難易度が跳ね上がります。
ただ、素材もレアな物が落ちるようになるので、夜の時間帯に探索するのも良いでしょう。ストーリーを進めていく中で、灯りになる油玉というアイテムが手に入るので、そのあたりから少しずつ挑戦してみてもいいかと思います。もちろん、アクションゲームの腕に覚えがある?は早々に突撃してもいいです。やられても時間が巻き戻るためですペナルティーはなし。
ちなみに、探索中に田植えの時期や収穫の時期が来たときは画面でアナウンスされるので、稲作を忘れることなく行える親切設計になっています。空腹状態や夜になった時も同様にアナウンスされるので、危険を感じたら家に帰りましょう。
アクションRPGをうたっているので、成長要素もたくさん。武器によってアクションの性能も変化していき、サクナヒメが成長することで色々モーションも増えるため、メインのアクション部分でマンネリ化することのない設計になっています。
メトロイドヴァニアならではのキャラクターの強化が楽しい
アクションを追加しよう! 武技・羽衣技編
さまざまな技を習得してアクションに挑む
探索時の戦闘を有利に進めるための技で、習得するには稲作による米の品質が影響し、その出来あがり具合で経験値が蓄積していきます。
品質は農書を読めば稲作の際に肥料や水分量など調整することで狙った品質を作ることができます。ストーリーで手に入る品質に関する農書の順番に稲作していくだけでもゲーム終盤には全ての武技・羽衣技を習得できたので、「農業パートが難しすぎて武技が取れない!」ということはないはず。
技は最大4つまでセットすることができ、武技は広範囲から吹っ飛ばし、単体特化などあり。
羽衣技は敵を引き付けたり叩きつけたり弱体化させたりと、多種多様にある。
また武技は使用回数やヒットした回数により熟練度が上がり、効果時間やダメージ量が増加するので、初めは弱くても使い続ければ強くなる
自分のプレイスタイルに合った武技を使い続けても良いし、やり込み要素のひとつとして満遍なく上げて楽しむのもあり。
個人的には、羽衣関連がアクションパートをより爽快に楽しく遊べた要素だと思います。
敵の動きを止めたり、背後に回ったり、はたまた攻撃を避けたりと、さらには羽衣技で攻撃することもできるのでトリッキーな動きが可能となります。
武器を強化しよう! 農具作り編
農具を使って敵を倒すというゲームは「いっき」以来かも…… 画像は竹箒の例
もちろん本人のアクションの変化だけでなく装備の変更での強化も楽しめます。
本編を少し進めるとイベントで探索パートで採集した素材をもとに武器・防具が作ることができるようになります。
武器は片手武器と両手武器があり、鎌や鋤(すき)や鍬(くわ)など農作業に使用する形状のものが多いです。
中にはハリセンもあります(笑)
武器には攻撃力の他に属性が設定されており、敵に有効な属性はダメージが通りやすいです。
また、真価と呼ばれる特殊能力が付いている武器もあり、攻撃力をプラスするものやドロップ率をあげるものなどがあります。
武器によっては、真価の空きスロットがあり、探索や米の品質を上げることで入手できる枝魂(特殊効果を付け外しできるもの)をセットすることにより効果が追加され探索を有利に進めることができます。
防具は、防御力をあげるものはなく、ダメージ軽減などの真価がついたものになります。
探索先に合わせた防具を装備していくことで、安全に攻略出来るでしょう。
他には、農作業で役立つ農具を作ることができ、これにより脱穀、精米などの作業が効率化します。これにはサクナヒメもにっこりで、嬉々として農作業に励むので、慈しみを持った眼で見守りましょう。これらを使用するかどうかは選択可能なので、お好みに合わせてプレイできます。
もはや米作り要らなくない?
キャラクターの成長要素に要るんです
アクション→箱庭→アクション→箱庭→…って日本神話版アクトレイザーじゃん
アクトレイザーのアクション部分がメトロイドになった感じかな
で、肝心の米作りは?
そう、それを語りたい!
稲作パート
自身と武器の強化のために稲作! 米は力だ!
このゲームの代名詞ともいえる稲作パート 新米完成の瞬間がたまんねえんだ
日本古来の米作りを体験できることが本作品の最大のウリ。
田植、稲刈り、脱穀などの8つの行程を経て稲を育てます。
「苗の疎密(間隔)」「降雨や日照に影響される水量や水温」「肥料の質・量」など、米作りパートは恐ろしいほどに作りこまれており、ちょっとした知識程度ではきちんと稲が育てられない。
SNS上では「農林水産省が攻略サイト」という話題になったぐらい、深く作られています。
さまざまな技を習得してアクションに挑む
とは言っても、そこまで難しいイメージを持つ必要はなく、探索パートで手に入る農書や、登場人物の助言やサクナが稲を観察した際の言動などヒントはたくさ
んあり、それらを頼りに稲作を進めていくだけでも立派なお米は作れます。
農作業の多くは手作業で手間がかかりますが、手間暇かけて育てたものを収穫したときは、現実で作物を育てたかのような感慨深さがあります。
農作業がめんどくさいという方は住人に頼んで代わりに作ってもらうことは可能ですが、当然自分でやるよりも品質が下がります。
アクションが苦手な人は、簡単な探索先でも稲作に使う素材は採集できるので、ひたすら稲作に励むのもありです。
また、ストーリーを進めたり農作業を繰り返しているうちに、農具を作ったり農技を覚えたりと、農作業を効率的に進めることが出来るようになるので飽きることなく稲作を楽しめます。
あと、農作業中のサクナヒメの反応がかわいい。
稲作は一人ではなくみんなで行うもの
また、稲作で一番大事なのは土壌改良に使用する肥料。う〇ちをもとに、探索時に採集した素材を混ぜ合わせて肥料を作ります。
この肥料が米の成長やサクナヒメのパラメーターに直接影響を与えるので非常に重要な要素になります。
また、素材の中には雑草が生えやすくなったり、稲が病気にかかりやすくなったりする素材もあるので、他の素材で補ってあげると良いお米が作れます。
様々なものを投入して肥料を作る
上の画像のように、△で肥料のパラメータが表示されるので、稲の成長段階に合わせて適した肥料を与えると良いお米が作れます。
ちなみにこの画像は実際のプレイ中のものですが、調べたところ……これは肥料の与え方悪い例だそうです(笑)。
私は、特定の品質を狙う以外はゲームクリアまで米作りの期間はずーっと三角形が肥料MAXの状態で米作りしていましが、これはサクナヒメ三ダメ農法のひとつ、「トライフォース農法」と呼ばれ、初心者がよくやるダメ農法のひとつで、肥料を与えすぎて土が栄養過剰に陥り、雑草やムシや病気が大量発生してしまうそうです。
毎年収穫した時のデータに雑草が多い記載があったが、ようやく謎が解けました!
でも、病気やムシは発生したことなかったなぁ……なんでだろ(笑)
ゲーム中に私が作ったお米の品質は本当に問題なかったのか心配になりました(笑)。
でも、美味しそうに食べてたし、本編もクリアしたので、大丈夫だと思いたい……。
サクナヒメ三ダメ農法とは
トライフォース農法
肥料の養分を与えすぎてしまい、雑草や害虫、病気などが大量に発生してしまうという失敗農法。
名称の由来は肥料の養分をMAXにした際の大きな三角形がゼルダの伝説のトライフォースに似ていることから。
カルタゴ農法
雑草や害虫、病気などを防ぐために大量に塩を撒いてしまい塩害が発生してしまうという失敗農法。
除草のために塩を大量に撒くことは、土地を半永久的に枯渇させてしまうことになりかねないため、農業においてやってはいけないことである。
名称の由来は古代ローマ帝国がカルタゴを滅ぼす際に再興できぬようその土地に大量の塩を撒いたことから。
ルインセコ農法
苗が育たない真冬に田植えを行ってしまい、苗をダメにしてしまうという失敗農法。
気温は植物が育成するための重要な要素であるため、適さない季節に田植えを行うと当然失敗する。
実際の日本で真冬に田植えを行っていないように当然のごとく育つわけがない。
名称の由来は旧ソ連の農学者ルインセコの提唱した似非農法から。
この名称は、実際の農業の名称なの?
いやいや、攻略を行っていたネット民がやらかしがちな農法として名付けたみたいよ
トライフォースとかカルタゴとか名称面白すぎでしょ
ネット民のネーミングセンスは非常にハイセンス
かなりリアル寄りの米作りをゲーム内でさせられるというこのゲーム。
もちろん、稲作を含む農業はゲーム内でも現実と同じように基本的に一年に一回。四十年でも四十回。
毎年が勉強で成功失敗を繰り返して上達していくものです。収穫の時にその年の稲作データの一覧が確認できるので、次の年に活かしましょう。
より農業を簡単に! 農技編
農技は農作業中に使用し、習得方法はひたすらサクナヒメ自身が農作業することで経験値が貯まり習得できます。農技により農作業が効率的かつ丁寧に進められるので、より良い品質の米を作ることも可能に!
個人的には、田植えに関しての農技は植える本数が増えることにより素早く植えることができ便利なのですが、苗の間隔が変わるので慣れが必要かなと思いました。まぁ、このあたりは設定で農技のON/OFFが出来るので、やりやすいものだけ使用することもできます。基本的には便利な農技ばかりなので、色々試してほしいです。
なるほどアクションと米作りがそれぞれ相関関係にあって、片方が詰まっても反対で頑張ればもう片方が簡単になると
そういうこと。おまけにアクション部分も箱庭部分もかなり作りこまれてるし、キャラクターもほんわかしているのでついつい癒されてやっちゃうんですわ
個人的な感想
ストーリーは、日本神話をモチーフにした主人公サクナヒメの成長物語が描かれています。
中には日本の神話に似たエピソードもあるので、プレイヤーよっては懐かしさを感じながらも非常に楽しめるかと思います。
あと全体的にサクナヒメの反応がかわいかったです。あ、もちろん凛々しい場面もちゃんとありますよ。
本編をクリアするまでのプレイ時間は約30時間。
やり込み要素については、現在もプレイ中なのでトロコンするまでやろうと思います。
そのあとはスローライフを楽しみながら、ステータスMAXまで稲作を楽しみたいと思います。もう少し肥料に注意を払いながら(笑)。
アクションと稲作には難易度設定があるので、苦手な方でも気軽に遊べるスタイルになっています。米作りは苦手意識というか難しそうに感じる人にかな。
私はここ最近プレイしたゲームが「仁王2」「ダークソウル3」などの3Dアクションゲームが続いてたので、プレイ中は懐かしさを感じながら非常に心が癒されておりました。
あと、横スクロールアクションも好きで、爽快感あるゲーム性を堪能できました。
稲作、アクションともに飽きない仕様になっているし、米は日本の文化のひとつでもあり、それらを楽しく体験出来る良いゲームだと思うので、気になった人はぜひプレイしてほしいです。
クソゲー(肥料が重要なゲーム)であり神ゲー(神様が主人公のゲーム)であるという「天穂のサクナヒメ」。メトロイドヴァニア好きなら是非一度やってみてはいかがでしょうか?
メトロイドや悪魔城ドラキュラ~月下の夜想曲~をやりこんだ身としてはちょっとやってみたい。
興味がある人はぜひプレイしてほしい。去年の12月にベストプライス版が2,980円+税で発売してて、定期的にダウンロード版がセールしているので、タイミングが合えばぜひ
むう~~~
あとアクトレイザーで思い出したけど、スクエニさんソウルブレイダーのリメイクもお願いします!
むう~~~(セールでポチるか今ポチるか悩んでいる)
まとめ
米作りだけピックアップされているがゲームとして十二分に楽しめるよう作り上げられたバランスが素晴らしい
・天穂のサクナヒメは和風メトロイドヴァニア系探索アクション
・羽衣や武器を使った爽快コンボが楽しい
・お米を作ったり、農具を作ったりすることで自キャラが強化される
・アクションパート・米作りパート、それぞれの難易度の変更が可能
・米作りパートは箱庭ゲーとしてはかなり作りこまれており、そこだけでも十分楽しめるボリューム